「AIが3D制作してくれる」って聞いて試してみた
Twitterで「Blender MCPってツールでAIが3D制作してくれる」って話を見かけて、「えー、そんなの嘘でしょ」って思ったんですが…
実際にやってみたら、マジでヤバかったです。
Claude Desktopに「青い球体を作って」って日本語で話しかけるだけで、本当にBlenderに青い球体が出現するんです。最初は「これ、たまたまでしょ?」って思ったんですが、いろいろ試した結果、想像以上にすごいツールでした。
今回は、話題のBlender MCPを実際にセットアップして、どこまでできるのか徹底的に試してみたので、その体験談をシェアします!
Blender MCPって何?なんでこんなことができるの?
Blender MCPは、AnthropicのClaude AIとBlenderを繋げるツールです。開発者はSiddharth Ahujaさんというインド系の方で、GitHubでオープンソースとして公開されています。
GitHubで公開されているaddon.pyファイル。こんなコードでAI連携が実現されてる
仕組みはシンプルで:
- Claude DesktopにMCPサーバーの設定を追加
- BlenderにMCPアドオンをインストール
- 両者が通信できるようになる
これだけで、Claude AIが「Blenderのエキスパート」として動作してくれるんです。
従来の3D制作 → マウスでポチポチ、ショートカット覚えて… Blender MCP → 「こんな感じのシーン作って」で完成
実際にセットアップしてみた(想像よりも簡単だった)
必要なもの
- Claude Pro アカウント(月額$20)
- Blender 3.0以上
- ちょっとの忍耐力(10分くらい)
ステップ1:uv Package Managerのインストール
最初にuv Package Managerをインストールします。これ、最初「何それ?」って思ったんですが、Blender MCPの動作に必須らしいです。
macOS(私はMacなのでこれ):
brew install uv
Windowsの場合:
powershell -c "irm https://astral.sh/uv/install.ps1 | iex"
ステップ2:Claude Desktop設定
Claude DesktopのSettings → Developer → Edit Config で設定ファイルを開いて、こんな感じで追加:
macOS/Linux:
{
"mcpServers": {
"blender": {
"command": "uvx",
"args": ["blender-mcp"]
}
}
}
ここでハマりポイントが一つ。JSONの構文って厳密だから、カンマの位置とか間違えるとエラーになるんですよね。
ステップ3:Blenderアドオンのインストール
GitHubからaddon.py
をダウンロードして、BlenderのEdit
→ Preferences
→ Add-ons
→ Install...
でインストール。
https://github.com/ahujasid/blender-mcp/blob/main/addon.py
「Interface: Blender MCP」を検索してチェックボックスを有効にします。
ステップ4:接続確認
Blender MCPパネル。Poly HavenやHyper3D Rodinの設定もここでできる
BlenderでN
キーを押してサイドバーを出すと、BlenderMCP
タブが出現!
ここで各種設定をして、Connect to Claude
ボタンをポチッと。
Claude Desktopに戻ると…おお!チャット欄の右下にハンマーアイコンが出てる!これが接続成功のサインです。
実際に使ってみた感想(正直、予想以上だった)
最初のテスト:基本的なオブジェクト作成
立方体を作成して赤色にしてください
って入力したら…
本当に赤い立方体ができた
これだけだと簡単すぎるかもしれないので、もう少し複雑なことを試してみました。
レベル2:複数オブジェクトの配置
青い球体と黄色い立方体を作成して、球体を立方体の上に配置してください
結果:完璧にできた
しかも、物理的に正しい位置に配置されてて、「この程度なら余裕」感が伝わってきます。
レベル3:ライティングとカメラ
カメラを少し上から見下ろす角度に調整して、ライトを右斜め上に配置してください
これも一発で完了。カメラの角度とかライトの位置って、手動だと結構面倒なんですが、一瞬で理想的な構図になりました。
レベル4:複雑なシーン作成
調子に乗って、こんなことを試してみました:
地下牢のシーンを作成してください。石の床、苔むした壁、松明の明かり、宝箱を配置して雰囲気を出してください
結果:想像以上のクオリティ
基本的な形状は作ってくれるし、ライティングも雰囲気に合わせて調整してくれました。完璧ではないけど、「こんな感じ!」っていうベースは確実に作ってくれます。
Poly Havenとの連携が神すぎる件
Blender MCPの真価は、Poly Havenとの連携にあります。Poly Havenって、プロも使う高品質な3Dアセットが無料でダウンロードできるサイトなんですが、それをAIが自動で選んで適用してくれるんです。
Poly Havenから海辺のHDRIと砂のテクスチャをダウンロードして、ビーチシーンを作成してください
このコマンド一発で:
- 適切なHDRIを検索・ダウンロード
- 砂のテクスチャも自動取得
- ビーチらしいシーンを構築
手動だと30分はかかる作業が、30秒で完了しました。
こんな人におすすめ!
絶対試してほしい人
- Blender初心者: 操作を覚える前に、まず楽しさを体験できる
- アイデアマン: 思いついたことをすぐに形にしたい人
- 効率重視の人: 反復作業をAIに任せたい人
- プロトタイピング目的: 完成度より速度を重視する場面
向かないかもしれない人
- 完璧主義者: 細かい調整は手動の方が確実
- Blenderマスター: すでに効率的なワークフローを持っている人
- オフライン作業メイン: ネット接続が必要なので
実際に使ってみた感想
正直、最初は「話題作りの技術でしょ?」って思ってたんですが、実際に使ってみて考えが変わりました。
これ、本当に3D制作の常識を変える可能性があります。特に初心者にとっては、「Blenderって難しそう…」っていう壁を一気に下げてくれるツールです。
注意点としては、初回コマンドは失敗することが多い(仕様らしい)、複雑すぎる要求だとタイムアウトする、ネット環境に依存するといったところ。でも、それを差し引いても十分に価値のあるツールだと思います。
技術の進歩って本当にすごいですね。5年前には考えられなかった世界が、もう現実になってる。
みなさんも、ぜひ試してみてください!きっと、「3D制作って、こんなに簡単になったんだ」って驚くと思います。
関連リンク
※ この記事は2025年6月22日時点の体験に基づいています。ソフトウェアの仕様は随時更新されるので、最新情報は公式サイトでご確認ください。
初めてのBlender MCP体験、めちゃくちゃ楽しかったです!質問があれば、コメントやTwitterでお気軽にどうぞ〜